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◆【PROPOSTE 2026 レポート①】

 家具用テキスタイル(椅子張り地)、カーテン、および壁装材に特化した国際見本市「PROPOSTE(プロポステ)2026」が、5月5日~7日の3日間、イタリア・コモのVilla  Erba(ヴィラ・エルバ)にて開催された。

 IBNとして初の現地取材となった今回、まずは「PROPOSTE」という見本市について紹介したい。

 「PROPOSTE」がスタートしたのは今から33年前。イタリアを中心とするヨーロッパの高級テキスタイルメーカーによる専門性の高い見本市として誕生し、以来、欧州を代表するテキスタイルメーカーを集めることを目的に開催されてきた。

 その象徴ともいえるのが、厳格な出展条件だ。なかでももっとも重視されているのが、「自社で生産設備を有するメーカーであること」である。商社は出展できず、織機などの生産設備をもつメーカーのみが出展対象となる。さらにコレクションの完成度、デザイン性、素材、品質など、いくつもの選定基準が設けられており、5人で構成される評議委員によって出展可否が決定される。

 近年は国際化も進展している。当初はヨーロッパ企業のみでスタートしたが、現在はアメリカ、トルコ、インドなどにも門戸を拡大。ただし、国際化が進む一方で、出展基準そのものは変わらず、高級テキスタイルメーカーのみが出展を許されるという姿勢を維持している。

 会場となっているVilla Erbaは、イタリア有数のリゾート地であるコモ湖畔に建つ歴史的建造物で、映画『オーシャンズ12』のロケ地としても知られる(コモにはジョージ・クルーニーの別荘もある)。こうした空間を会場としている点にも、「PROPOSTE」が目指す世界観が表れている。

出展者、来場者とも国際色強まる
日本人は中東情勢の影響で減少

 33回目を迎える今回は、14カ国・4大陸から87社(前回77社)が出展した。イタリア企業では長年参加している企業に加え、新たに8社が参加し37社に拡大。さらに海外勢では、アメリカ、トルコ、インドに加え、リトアニア、ベルギー、スコットランドなどからも出展があり、国外企業は計50社に達した。国際化と多様化はさらに進行している。

 来場者数は昨年比約5%増となる2500名。主な来場者出身国はイタリア、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスなどで、欧州を中心に世界各国からバイヤーが集まった。

 また、イタリア外務・国際協力省およびイタリア大使館貿易促進部(ITA)の支援により、23カ国から51名のバイヤー、16名のジャーナリストが招待されるなど、国際的な情報発信力強化も図られている。
 その一方で、日本からの来場は例年より限定的だった。例年は多くのブランドメーカー関係者が来場するが、今年は中東情勢の影響などから、視察を控える動きもみられた。

 今年の開催テーマは、「Heritage Forward(受け継がれる遺産を未来へ)」。出展企業の多くは、代々続くファミリー企業であり、長い歴史の中で培われた高い技術力や職人技を有している。会場では、そうした技術をベースにした新素材開発、高機能化、サステナブル、新技術の数々が提案された。

 特に目立ったのが、機能性の高度化だ。これまで主にコントラクト向けで展開されてきた防炎性能、耐久性、メンテナンス性に加え、抗菌、吸音といった高機能素材を住宅市場へ展開する動きがみられた。

 それに関連して、「インドア・アウトドア」というコピーも各ブースで多用されていた。高機能なアウトドアファブリックを、やわらかく上質に仕上げることで、インドア空間へ提案していこうという潮流だ。

 また、サステナブルの視点からは、リネンやウールなど自然素材の提案も目立った。単一素材100%ではなく、異素材を細かく混紡することで、多彩なテクスチャー感を表現する動きもみられた。

 このほか、デジタルプリントに特殊インクを組み合わせ、柄を立体的に表現する技術なども提案された。いずれも、メーカーならではの開発力を感じさせる内容だった(詳細は次号にて紹介予定)。

 今回より、新会長にマルコ・パラヴィチーニ氏が就任したことを受け、交流や情報発信力強化を意識した新たな取り組みも行われた。

 その1つが、ラウンジスペース「エセドラ」の新設だ。建築家クリスティーナ・セレスティーノ氏のデザインによるもので、ソファー、床、壁、間仕切りなどにグリーンを基調としたテキスタイルを使用。商談や交流の活性化を目的に、リラックスできる空間が演出された。

 さらに、主要メディアパートナーであるINTERNIとのコラボによる新企画「INTERNI.PROPOSTE AWARD2026」も初開催。家具メーカーと同展出展企業によるプロジェクトを表彰するもので、素材見本市にとどまらず、空間提案やデザイン発信へと領域を広げようとする動きを感じさせた。
(次号へつづく)

「PROPOSTE」公式サイト
https://www.propostefair.it

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