デジタルプリントによる大量生産を可能にする
「TOKYO WALL PAPER FACTORY」を発表
リンテックサインシステム(株)(小島一仁社長)は、高速プリントによる大量生産も視野に入れた新たなデジタルプリントシステム「TOKYO WALL PAPER FACTORY」を、このほど発表した。
デジタルプリント技術は、印刷用メディア(壁紙・化粧フィルムなど)にデジタルデータを直接印刷する技術で、必要なときに必要な量だけオンデマンドで生産できるのが最大の特徴といえる。その一方、生産スピードは従来の生産方法と比べて遅く、大量生産には向いていない。
しかしながら技術革新は日進月歩で、プリントスピードは日々高速化してきている。
その中で、大判インクジェットプリンターの中でも最速クラスのプリントスピードを有するのが、キヤノン製「Colorado 1650」である。UVgelインクを用い、印刷しながら紫外線を照射して乾燥させる早技で高速化を実現している。UVgelインクは一般的なUVインクと比較してスムーズなテクスチャーで、グロス仕上げとマット仕上げが選択可能。そのスピードは、高品質(グロス)モードで一般的な機器の約3倍となる40㎡/時間というものだ。また速乾後は擦過性に優れ、左右の色差も抑えられるなど印刷の品質も高い。加えてメンテナンスフリーも魅力のプリンターである。
デジタルプリント技術の導入が先行するヨーロッパの壁紙ブランドでは、同機を導入し定番品の生産も拡大しているという。デジタルプリントでの生産は、PC操作が中心となるため少人数での対応が可能なことから、女性スタッフ1人で壁紙を大量生産するという壁紙メーカーも現れている。まさに産業革命のような大きな変革が起こっているのだ。
さて、今回リンテックサインシステムが発表した「TOKYO WALL PAPER FACTORY」は、高速プリンターのキヤノン製「Colorado 1650」をベースに、イタリアのネオルトファクトリー社の大径アンワインダー(送り出し装置)とリワインダー(巻き取り装置)を連結させたシステムである。
「Colorado 1650」単体でも高速プリントは可能で、最大ロール径220ミリまでのメディア(壁紙・化粧フィルム等)を2本まで設置できるが、頻繁にロールのセッティングが必要となる。そこにネオルトファクトリー社製「アンワインダー&リワインダー」を連結させることで、1000メートル以上(最大800kg)のジャンボロールのセットが可能となり、生産性が大幅に向上することになる。
大容量かつメンテナンスフリーの高速プリントを実現した「TOKYO WALL PAPER FACTORY」。リンテックサインシステムでは、壁紙メーカーをはじめ、内装問屋、内装工事店などに提案していく考えだ。
リンテックサインシステムのホームページ
http://www.sign-japan.com