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◆【プロダクトナウ/開発者インタビュー】

スギシリーズ ウッドブラインド ナニック

 ナニックジャパン(株)(甘露寺信房社長)は、さる4月3日(月)、「国産杉材の有効活用」をコンセプトに、国産杉を100%スラットに使用した「スギシリーズ ウッドブラインド」(8色展開)を新発売した。

 国産材を活用した製品の発売は、日本のウッドブラインドのパイオニアであるナニックジャパン(株)を創業した、甘露寺信房社長の悲願でもある。今回は甘露寺社長に「スギシリーズ ウッドブラインド」の開発背景や製品に対する思いなどを語っていただいた。

「 国産杉材の有効活用」がコンセプト
自社工場の新設で実現した国産杉のウッドブラインド

 約30年前に当社を立ち上げてから、ウッドブラインドの専門メーカーとしてゼロからウッドブラインド市場をつくってきました。

 今では競合他社も含めて、日本のインテリア市場に一定の地位を築くまでに成長してきましたが、その中にあって大きな課題として常に気にかけていたのが、ウッドブラインドの素材である木材のほとんどを輸入材に頼っていたことでした。

 日本の国土の総面積3799万ヘクタールの約3分の2に当たる2500万ヘクタールが森林です。国土における森林率は先進国の中でフィンランドに次ぐ世界第2位です。その森林の約40%が人工林(育成林)で、さらにその約45%の450万ヘクタールが杉の林になっています。これは東京都の面積の約2倍です。日本は資源に乏しい国と言われていますが、実は木材という資源はこれほどまでに豊かなのです。

 ところが、ご承知の通り日本の林業は海外の安価な木材に押されて衰退の一途をたどっています。ウッドショックの中で国産材回帰が叫ばれていますが、なかなか思うようにはなりません。ウッドブラインドメーカーである当社としては、何とかこの日本の資源である国産材、とりわけ国産杉を活用した製品がつくれないものかと10年以上前から研究を重ねてきました。

 実際に取り組んでみると、やはり日本の林業の状態では大量に材料が確保できませんし、また技術は高いものの製材から乾燥に至る過程での生産性が低いため、コストが相当に割高になってしまい、工業製品としてとても安定的に供給できる見通しは立ちませんでした。一時は木材を中国に一旦輸出し、そこで製材・乾燥などの加工を行うという案も考えましたが、それでは本当の意味での「国産材」になりません。

 それならば、専門メーカーとして製材や加工も内製化をするしかない、と考えて昨年5月に新設したのが、那須工場でした。丸太の皮を剥き角材に製材するところまでは提携した製材所にお願いし、そこから薄い板に加工し塗装してスラットに仕上げていく最終工程を那須工場で行うという仕組みを構築することで、国産杉材のウッドブラインドの製品化を実現することができました。
 ここまで自社工場で対応できるメーカーは世界でも当社だけだと自負しています。

 価格面についても、当社の最高級シリーズ「プレミアムシリーズ」とバスウッドを使用したリーズナブルな「Gシリーズ」のちょうど中間価格帯となっています。国産杉材を使い、国内で生産しているにも関わらずこの価格帯に抑えられたのも、自社工場での生産を実現できたからだと思います。

 木材はとてもサステナブルな素材です。苗木を植林し成長の過程でCO2を吸収し、樹齢50年以上になりCO2を吸わなくなった木材を伐採して資源とし、そこにまた新たな苗木を植林します。その苗木がまた成長しながらCO2を吸収していきます。

 そんな国産材を活用した「スギシリーズ ウッドブラインド」の意義をご理解いただき、お取り扱いをお願いする次第です。

ナニックジャパンのホームページ
https://www.nanik.co.jp

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